Hahnah Chronicle

5年夢見たバックカントリースキーに入門

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原井 夏樹
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バックカントリースキーに挑戦するために、5年かけて少しずつスキルアップ。そしてついに初デビュー。道具の準備や雪崩対策の講習、クライミングスキンでの登り、霧の中での滑走まで、実際に体験してわかったことをゆるくまとめました。思っていたより大変?それとも意外といける?初バックカントリーのリアルな感想。

バックカントリースキーへの憧れ

スキーに本格的にハマり始めた5年ほど前、私がやりたいのはフリーライドスキーとバックカントリースキーだった。滑る場所に囚われず、パウダーを自由に滑る。そんな楽しそうな姿に憧れた。
スキー場とは全く異なるバックカントリーのコンディションで滑るには実力が必要だった。具体的には、以下の2つの観点での能力が必要となる:

  1. スキー場のように圧雪された雪面、パウダー、アイスバーン、澤地形、木々の中、様々なコンディションの斜面を滑れる必要がある。
  2. 滑って安全か、このコースで正しいか、という自然条件と地形を見極める力が必要になってくる。

1に関しては5年間努力し、少しずつ実力をつけた。バックカントリーのコンディションに近い、ロッテアライスノーリゾートで練習を繰り返した。
2に関しては、ベテランのガイドを頼ると割り切った。山の地形まで把握するのは自分には難しいと思った。

バックカントリーにはそれ専用の道具が必要となり、そのほとんどがスキー場で使うものとは異なる。それも揃えた。
そして、2026年1月17日(日)にいよいよ、バックカントリースキーにデビューした。
場所はかぐらスキー場のさらに上部だ。スキー場が運営するバックカントリーツアーに参加した。

前泊

バックカントリースキーの朝は早い。準備を済ませて朝8時に現地集合しなければならない。普段スキーをするときは当日朝に自宅から、新幹線で現地まで行くのだが、それでは間に合わないスケジュールだった。なのでロッジに前泊した。 前泊したロッジ

古い施設なのでまずまずの満足度。バックカントリースキーに備えられればそれで良い。

講習を受けて登山口まで

当日朝に集まった。バックカントリースキーでは登りの時に暑くなるので、ヘルメットを脱いでバックパックに固定するのが通常のようだ。
しかし自分のバックパックには固定用のネットがなかった。スキー場のショップでカラビナを2つ買って、ヘルメットをバックパックに固定できるようにした。我ながらいい判断だった。

開始すると、まずは一本だけゲレンデを滑る。慣らしをしているのと、参加者のレベルをチェックしているようだ。自分は前日にゲレンデを滑ったので慣らしは十分。

その後、ゲレンデーないのコース脇というか、コース外の部分を滑ってパウダーに慣れる。

そして、道具の使い方の説明だ。自分の位置をしらせ、遭難者のおおよその位置を探すためのビーコン、遭難者の位置・深さを特定するためのプローブ、雪を掘り起こして遭難者を助けるためのショベル。これらがバックカントリーにおける三種の神器だ。
これらの道具の使い方を学び、実践的な練習を行った。誰かが雪に埋まった時に20分以内に救い出せるかどうかが生存の分岐点になる。

ガイドの人によってピットチェックの実演も行われた。

ピットチェック

ピットチェックとは、雪の層の脆い箇所を見つけ出す方法で、雪崩の起きやすさの確認に用いられる。幸い今日は大丈夫だった。
バックカントリーを滑る前にはゲレンデ内でもいいのでピットチェックを行うことが必須だ。
ただ、危ういかどうかの判断基準は自分にはまだよくわかっていない。ガイドの判断を信じるしかない。

かぐらスキー場のリフトで登れるところまで登ると、ここで雪山登山に切り替える。
準備として、スキーの裏にスキン(シール)を貼る。これを貼っていると滑り止めになり、雪山から滑り落ちずに登り続けられる。

スキーにスキンを貼る

スキンを貼ると画像の左側の板のように裏面がなる。
ちなみにシールというのは seal(アザラシ) のことであり、昔はアザラシの毛を使っていたことからそう呼ばれるらしい。
自分はクライミングスキンというのが意味的にしっくりくるので、そのように読んでいる。

ちなみにスキーの板は ARMADA WHITEWALKER 116だ。センター幅が116mmと太く、長さは175cmと自分の身長+10cm以上あり、浮力は十分だ。そして、先端がピン形状なので走破性が高い。
非常に軽くて操作もしやすく、登りも疲れない、自分のお気に入りのスキーだ。

登山入り口

上記の画像のような登山入り口がある。ここで登山計画書を届ける。ツアーでまとめて届出を出してくれた。
遭難の際には、登山計画書に記されたルートから捜索範囲が決められたり、遭難者の緊急連絡先への連絡が行われたりする。

いざバックカントリー

登りは晴れ

登りはずっと晴れだった。

クライミングスキンで登ることは練習したことがなかったので最も不安な部分だった。
しかし、先頭のガイドが作った轍を辿って登るだけならば、ほとんど体力は消耗しなかった。

登る最中は温度調整による体力温存重視で、ヘルメットを被るよりもニット帽+サングラスのスタイルをとる。周辺に木があったり斜面が凍っていたりと転倒時のリスクがある場合はヘルメットを被る。

登り切った頃、天候が変わった。

下りは霧

写真のように曇りというか、霧になった。目の前が数メートルしか見えないような濃い霧だ。
基本、バックカントリーでは雪崩リスク低減のために1人ずつ滑り降りるらしいが、今回は霧により逸れるリスクの方が高いため、前の人を見失わないくらいの近い間隔で滑った。

しかし、それでもツアーのグループが2つに分断されたり、自分自身もついていくグループを見失ったりした。声をあげて位置を教え合い、なんとか合流できた。

また、ゲレンデにはあまりないツリー地形も存在した。

ツリーラン

ツリーランは割と慣れていたので問題なかった。木々の間を塗って滑るのは楽しい。
ただ、木の近くは雪がなくてハマってしまうのであまり近づかないように注意が必要だ。

感想

バックカントリーがどんなものかを学び、実際に体験することができた。
それは危険と隣り合わせだが、準備と確認を怠らなければ安全に楽しむことができる。

憧れた通り、バックカントリースキーは楽しかった。今回は初めてということでやや警戒しており、思いっきりは楽しめたと言えないが。

意外だったのは、必要なスキースキルとしては5年も準備するほどではなかったという点だ。3年でも挑戦できただろう。
まあ、その分、これからたくさんバックカントリースキーを楽しむとする。